失敗しない不動産コラム
2024/01/19
建ぺい率・容積率とは?
建ぺい率、容積率と聞くと、なんだか難しそうに感じますよね。
「建ぺい率(建蔽率)・容積率 はそれぞれ40%・100%です」
土地の購入を考えて、
不動産屋に話を聞いてみたところ、いきなりそんなことを言われて戸惑ってしまったという方もいるでしょう。
しかし、土地や建築に詳しくない方にとっては、わからなくても当然のこと。
「建ぺい率・容積率とは一体何を意味しているの?」
「どんなところに気を付ければよい?」
ここでは初めて耳にするという方のために、
建ぺい率・容積率の要点をわかりやすくまとめてみました。
┃建ぺい率・容積率とは?計算方法
建ぺい率・容積率とは、一言でいえば、
「この土地については、このサイズまでの建物なら建築してもいいですよ」
という指標です。
もし、建ぺい率や容積率の上限が何も決められていなかったとしたら、どうなるでしょうか。
それだと、広大な平屋や高層の住宅など、みんなが好きなように建物を建て、
都市計画や景観を無視した建物が乱立してしまうことになります。
建ぺい率や容積率には、そんな滅茶苦茶な街並みが作られないように規制する、とても大切な役割があるのです。
これから、建ぺい率や容積率についてもう少し詳しく見ていくとともに、
その計算方法や調べ方についてもチェックしていきましょう。
■建ぺい率とは?
建ぺい率(建蔽率)とは、ズバリ簡潔に説明するならば、
「ある土地(敷地)の面積と、そこに建築された建物面積の割合」
のこと。
そして、なぜこの建ぺい率に注目するのかというと、行政によって建ぺい率の上限が定められているからなのです。
たとえば、住宅を建てようと思ったとき、100㎡の土地で建ぺい率が仮に60%で制限されているとしたら、
建築面積が60㎡以内になるようにうまく建築しなければなりません。
建ぺい率は、不動産業者がチラシやインターネットに
記載・公開していることが多いですが、自分で調べることも可能です。
市役所などの都市計画課に電話で問い合わせるとよいでしょう。
また、建ぺい率などが記載された「都市計画図」が、
行政によってインターネット上に公開されていることもあるので、一度検索してみることもオススメです。
建ぺい率などは、それぞれの土地というよりも地域毎に定められているため
、目的の土地が建ぺい率の上限が異なる地域にまたがっている場合があります。
そのような場合には、それぞれの面積の割合によって、建ぺい率が按分されます。
■建ぺい率の計算方法
建ぺい率の計算方法はいたってシンプルなものです。
建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
ただ、ひとつ注意しなければならないのが、建築面積の考え方です。
建ぺい率の計算に使う建築面積は、真上から建物を見下ろした時の広さ(※)なのです。
※「水平投影面積」といいます。
つまり、1階部分と2階部分とで建築面積が違う場合、広い方の面積を採用して建ぺい率を計算することになります。
■容積率とは?
容積率とは、
「敷地の面積と、建物の延べ床面積(全フロアの合計面積)の割合」
のことです。
建ぺい率と同じく、容積率についても行政による制限がありますから、「建築面積を抑えて、代わりに建物の背を高くしてしまえばいい!」という理屈は、残念ながら通りません。
しかし、なぜ容積率についても制限されてしまうのでしょうか。
それは、だいたい同じ広さに区画された分譲地(2階建ての住宅ばかりが建っているところ)を考えてみると明らかです。
そんなところに、急に10階建ての住宅が建築されたとしたら、日当たりや風通しなど、近隣の住宅の生活環境が害されてしまいますよね。
このように、
・道路などの公共施設とのバランスを保つ
・居住環境の保護
のために、都市計画で「指定容積率」が定められているのです。
建物を建てる際は、この容積率の制限を守って建築しなければなりません。
■容積率の計算方法
容積率の計算方法も、基本的には建ぺい率の計算に似ています。
容積率 = 延べ床面積(※) ÷ 敷地面積 × 100
※各階の床面積の総合計
ただし、容積率の場合には「前面道路制限」というルールがあるため、注意が必要です。
容積率の前面道路制限
敷地に面している道路の幅(幅員)が12m未満である場合、その幅員に定数(0.4など、地域による)をかけた数字の方が小さいならば、その数字が容積率の上限になる
少しわかりづらいので、具体的な例を出して考えてみましょう。
・容積率の上限が200%に指定されている土地
・土地は4mの道路に接していて、定数は0.4である
この土地の容積率についての計算は、
4m × 0.4 × 100 = 160%
となります。
つまり、「本来は容積率200%まで建築しても良いけれど、この土地に関しては160%に抑えなさい!」という規制に従わなければならないのです。
建ぺい率や容積率を正しく知って適法に建築することは、理想の住宅に住むための基本であり、課題でもあります。