失敗しない不動産コラム
2023/11/10
建売住宅なぜ安い?
一戸建てが欲しいと思ったとき、選択肢の候補に上がるのは「注文住宅」か「建売住宅」です。
一般的には、建売住宅のほうが注文住宅よりも、数百万単位で安価です。
ここで建売住宅を検討されている方が考える不安は『どうしてこんなに安いんだろう?購入しても大丈夫だろうか?』ということですね。
そこで今回は、建売住宅がどうして安価で住宅を提供できるのかを解説していきます。
検討中に安い理由を知り、購入後に後悔をしない様に、様々な可能性を探っていきましょう。
┃建売住宅が安い理由
建売住宅が注文住宅と比べて、安価に購入できる理由は以下の6つです。
❶大規模に土地を購入して一挙に販売するから
建売住宅を建築するハウスメーカーの多くは「広大な土地を一括で購入した後に一挙に建築・販売」します。
広範囲の土地を購入することで、坪当たりの土地取得単価を抑えられ、
造成するときも大型の機械を導入して効率的に区画分けを行えます。
さらに、土地と建物をセットで販売することで、
土地でも利益が出て、建物でも利益が得られることで、販売単価を下げられるのです。
❷モデルハウスを作る必要がないから
建売住宅は、建築後の物件がその場にあるため「モデルハウスを作る必要がありません」。
モデルハウスは建築するのに費用がかかりますが、
固定資産税や電気水道など、維持管理にも多大な費用がかかります。
こうした費用が不要になることも、建売住宅の強みといえるでしょう。
❸高い固定資産税
建売住宅は多くの場合、設備や建材に同じものを使用します。
同じ規格の設備や建材を大量に仕入れることで「仕入れにかかる費用を大幅に抑えています」。
規格が同じものを使用していることから、設備・建材の運搬コストが抑えられる点や、
施工業者の手間が省けて人件費が抑えられる点もメリットです。
❹いくつかのプランに限定して設計費を下げているから
「プランを限定している」ことで設計費を下げている点も、建築費を減じる方向に効果を発揮します。
注文住宅の場合は、施主一人ひとりに向き合って対話を重ねオリジナルの間取りを作っていきます。
一方で建売住宅の場合は、万人受けする間取りを作り、
同じ間取りの家を複数建築します。
こうして建売住宅では、設計にかかる人数や手間を注文住宅建築より大幅に減らせるのです。
❺工期を短縮して仮設費用を減らしているから
建物の形や間取りを単純にすることで「工期を短縮している」点もコストダウンに寄与しています。
先述したとおり、同一の間取り、同一の設備・規格を利用することで施工にかかる手間を大幅に削減。
工事にかかる時間を減らして、レンタルである仮設トイレや足場の使用日数を減らしています。
同時に、職人が動く時間を減らして人件費削減も図っています。
❻現場管理を最小限にしているから
一般的に現場管理はハウスメーカーの仕事です。
しかし、会社によっては現場の「下請け業者に現場管理を委任」して、
現場管理費の節約を図るケースがあります。
現場管理を委任することで、より多くの現場を同時進行することが
でき、1件あたりの費用を抑えられています。
┃あえて言う建売の後悔ポイント
様々な手段を用いて建築費用の節約を図る建売住宅ですが、
実は選択することで後悔を感じてしまう瞬間もあるようです。
どうして後悔を感じるのでしょうか。
■安価ゆえに、他人の目が気になる
他人の家と自宅を比べてしまい「自宅が安いことを恥ずかしがってしまう」ことがあります。
特に内装や外装など、人の目に直接触れる場所に安価な部材を使っていると、
来客に見せることを恥ずかしく思うことがあるかもしれません。
■収納スペースが少ない
建売住宅は収納を小さくする代わりに、本体価格を安くしている傾向があります。
しかし、収納スペースが不足すれば、物が溢れて生活に支障を来してしまいます。
■外構計画が自分好みではない
外構の使い勝手は千差万別。
所持する自動車の台数・大きさ、自転車の量、植栽の有無など、
各要素は人それぞれに要望がさまざまだからです。
┃一戸建てを後悔なく購入するためには
では、建売住宅を安価に購入する場合に、こうした後悔を感じないためには、どうすればよいのでしょうか。
■焦って購入しない
後悔したくないなら、絶対に守りたいのは「焦って購入しない」ことです。
ハウスメーカーも建売住宅を購入させるために様々な手法を駆使します。
たとえば「このあたりで大規模に開発されることはもうない」
「検討中の建売住宅に購入希望者が現れた」といった文句です。
ここで焦って購入すると、先述したような後悔を抱えることになってしまいます。
■他の選択肢も比較して検討する
建売住宅自体があなたに合っていない可能性もあります。
「注文住宅や企画型注文住宅など、他の選択肢も含めて検討する」ことが大切です。
建売住宅が安価に提供できる、6つの理由について解説しました。
安価に購入できる反面、様々な点で制限を受けてしまう建売住宅は、実は万人にお勧めできるものではありません。
一方で注文住宅についても、費用が百万円単位で増額になってしまうので、こちらも誰にでもおすすめできるものではありません。
色々な選択肢の中から、比較検討して、
どの建築が一番自分にあっているかを考えながら選ぶとよいでしょう。