失敗しない不動産コラム
2023/06/23
平屋のメリット!
高齢化や核家族化、世帯人数の減少などの住宅問題を解決してくれる家として、
いま平屋住宅が注目を集めています。プランも充実し、
ある程度の敷地があれば建築可能となった現在の平屋住宅の魅力を紹介します。
┃平屋が人気を集めているその理由
もともと平屋が主流だった日本の住宅。小さい土地でも面積や部屋数が確保できる、
複層階の建物が多くなり、平屋住宅は、広い土地を持つ人だけが建てられる家というイメージが定着してきました。
しかし、家族の高齢化によるバリアフリーの必要性や、核家族や少子化による世帯数の減少などにともない、
そんなに多くの部屋数を必要としない今、平屋住宅が持つメリットが、現代の住宅事情に適した住宅として見直されています。
また、そんなに土地が広くなくても建てられるプランも数多く出てきているため、
より現実的に購入が検討できるようになりました。このような背景を踏まえたうえで、
平屋住宅の建造物としての特長を簡単に説明します。
■全体の間取りや構造
┗上層階の柱や壁のことを考えなくても良いので、「間取り=建物の構造や外観」と直結するのが特長です。
昔からの日本の家などを見て分かるように、土間やいろりの上部に美しく力強い骨組み(構造)が見られ、
それが屋根などの外観の美しさにもつながっています。
■外へとつながる開放的な空間
┗開口部が多く広いのが特長で、室内にいても外の風景や庭が見わたせたり、
内とも外ともいえない曖昧なスペース(かつては土間や縁側がその役割)があったりと、
内と外がつながる一体感が開放的な空間をつくり、暮らしにゆとりを感じさせます。
┃平屋住宅の家づくりのメリット
◐それでは、家を建てるうえで平屋住宅のメリットとは何でしょうか?
主なものでも
- 建物の規模が小さいので、施工費用が比較的安くすむ
- ワンフロアなので天井を高くとることができ、開放感のある空間をつくることができる
- 階段がないので、その分間取りをコンパクトにまとめ収納を増やすなど、スペースを有効に活用できる
- 同じワンフロアでもマンションにはない、「縁側と庭」をつくることができる
- 建物の高さが低く重量が軽いため、複層階の建築物に比べて構造的に強く、台風・地震などの影響を受けにくい
- 外壁などのメンテナンス時も、建物自体が低いので複層階の建物に比べて安くすむ
などが挙げられます。シンプルな構造だけに、施工費などのコストを抑えられるのが最大の特長といってもいいでしょう。
┃平屋の暮らしのメリット
◐実際に生活するうえではどうでしょうか?
- 老若男女関係なく、移動がしやすい
- 上層階への上り下りがなくワンフロアで暮らすので、生活動線をシンプルにできる
- ワンフロアなので、家で孤立する場所が少なく、家族が自然とリビングに集まりやすくなる。また家族の気配を感じながら生活ができるので、家族のコミュニケーションが円滑になる
- 2階がある家では、上下階で空気が循環しにくいが、平屋住宅の場合は窓を開ければ空気が家全体にいきわたるため、循環しやすく風通しが良い
- 冷暖房効率が良い
- 高齢者と同居の場合は、バリアフリーですべての空間をつなぐことも可能なので、生活や活動の範囲が広がる
以上のように、暮らしにおいてもさまざまなメリットが挙げられます。
┃平屋の暮らしのデメリット
◐平屋住宅にもデメリットはあります。
・ある程度の土地の広さが必要となる
・平屋住宅は開口部が大きく数も多かったりと、外部からの侵入が比較的容易。「窓などに防犯フィルムを貼る」「就寝時などに窓を開けた際にはブザーが鳴る」などの防犯対策が必要
・構造がシンプルなため設計の自由度が高い分、複雑な間取りにしてしまうと壁が多くなり、逆に風が通りにくくなってしまう
・建物の高さが低いため、間取りによっては建物の中心部や北側などに直接陽が当たらない部屋や場所できる場合がある
・周囲の住宅と近い場合、開口部が多く広いとプライバシー確保が、逆に少なく狭くなどすると快適な日当たりを確保するのが難しい
・メリットでありデメリットでもあるが、ワンフロアしかないのでプライベートな空間が確保しにくい
┃選択肢としての平屋住宅。将来のライフプランを前提に
◐どんな家を建てるにしてもメリット・デメリットは必ずあります。
平屋住宅には家事・コミュニケーション・室内環境・省スペース・コスト削減など、多くの面でメリットがあります。
また近年、リフォームや増改築の際に、例えば2階建てを平屋建てにするという「減築」など、
これまでにない動きが見られます。こうした動向に着目したハウスメーカーなどが平屋建てのプランを商品化する動きも出てきています。
「将来子供が独立したら…」「歳をとったら上下階の移動の負担が…」などを考えた場合、
平屋住宅ならば、ムダなスペースを作らずにすみ、コストの負担も減らすことができます。
家族構成や暮らし方、将来のライフプランをよく考え、
マイホームを建てる上での新たな選択肢として、平屋住宅を加えてみてはいかがでしょうか?