失敗しない不動産コラム
2023/05/26
一戸建てを購入するなら修繕計画が必要?
マイホームを購入した後は、維持費として固定資産税やメンテナンス費用が発生します。
特に住み心地に大きく関わってくるのが、修繕費用です。
修繕工事のタイミングや施工箇所によって費用に差があるため、事前に大まかな費用目安について知っておくと安心です。
今回は、一戸建て購入後の修繕計画の立て方について、費用の目安や積み立て方を解説します。
┃一戸建て購入後にかかる修繕費は?
◐ 修繕費は、一戸建て購入後にかかる維持費のひとつです。
年数とともに住宅設備や外装・内装が劣化してくるため、快適に暮らすためには定期的にメンテナンスや修繕工事を行う必要があります。
修繕箇所は外壁や屋根、給湯器、トイレ、浴室、床など、さまざまです。
修繕する際はまとまったお金が必要になるため、定期的に積み立てておくと安心です。
たとえば、「20年間で毎年20万円ずつ積み立てる」といった
修繕計画を立てておくことで、急な修繕工事にも対応しやすくなります。
┃一戸建ての修繕計画を立てるには
◐ マンションは修繕積立金がありますが、一戸建ての場合は住む人が計画的に修繕費を積み立てなければいけません。
修繕費用のトータルコストの相場はどれくらいか、年間でいくら積み立てておけばいいのか、
修繕が必要になる時期はいつになりそうかなど、前もって修繕計画を立てておくとスムーズです。
特に中古物件の場合は、住宅に劣化の初期症状が出ていないか定期的に確認する必要があります。
それでは、一戸建ての修繕計画の具体的な立て方について、具体的に解説していきます。
■1:修繕費用の目安を知る
修繕計画を立てる際は、最初に修繕費にいくらかかるのか、費用の目安について把握しておくことが大切です。
修繕費用のトータルコストは、600万~800万円程度が相場といわれています。
修繕内容ごとの費用目安(30坪の住宅の場合)は以下のとおりです。
■費用目安(30坪の住宅の場合)
- 外壁塗装…100万~150万円
- 屋根の塗装…40万~80万円
- 給排水設備の工事…50万円
- 水回りの修繕・交換…100万~150万円
- フローリングの張り替え…15万~20万円(8畳)
- 白アリ防除…20万円
- 外構工事…50万~100万円
ほかにも、給湯器やガスコンロ、換気扇、キッチンなどの設備の交換工事や、内装の壁紙の貼り替え工事などがあります。
住宅の規模によっては上記の値段よりも高くなる可能性があるため、
概算費用についてはハウスメーカーやリフォーム会社に相談するのがおすすめです。
■2:修繕費はどう積み立てればいい?
一戸建ての修繕は、一度に全体の修繕工事を行うとは限りません。
築年数が10年を経過したあたりから必要な箇所に応じて修繕を行います。
仮に、一戸建ての所有期間が30年とすると、年間20万~30万円が必要な積立額と試算できます。
外壁や屋根の塗装は築20年以降が一般的ですので、
5年間で100万円、10年間で200万円積み立てることができれば、必要なタイミングで修繕工事が行えます。
年間20万円は難しいという人も、月に数万円など無理のない範囲で積み立てをしておきましょう。
■修繕費を抑えるにはどうすれば?
修繕費を少しでも抑えたいという人は、家を建てる際に耐久性の高い素材を選ぶのがおすすめです。
住宅に使用する建材やパーツは修理や交換がしやすいものを選ぶのもいいでしょう。
特殊な部材や素材を使用すると、特定の会社にしか依頼できずに費用が高くなる可能性があります。
また、内装の壁や床は傷がつかないように工夫したり、外構やエクステリアに関してはホームセンターで道具を購入して自分で行ったりするのもいいでしょう。
劣化が激しいとその分、修繕費用が高額になってしまうため、定期的に壁の塗装を行うのもおすすめです。
■3:実際に一戸建ての修繕費用計画を立てる
修繕費用の目安と積み立てる方法が決まったら、一戸建ての修繕計画は立てやすくなります。
あとは、築年数ごとにどんな修繕が必要になるか、いくら必要になるのかを時系列で整理しましょう。
以下は修繕計画の一例です。
■修繕計画の一例
〈築5年〉
水回り、給湯器、給排水器具の設備点検(数万円~)
〈築10年~〉
フローリングの部分補修(15万~20万円)
水回りの修繕・交換(100万~150万円)
〈築20年~〉
屋根、外壁の表面塗装(150万~250万円程度)
給排水設備の工事(50万程度)
白アリ防除(20万円 ※必要に応じて)
外構工事(50万~100万円 ※必要に応じて)
〈築30・40年~〉
外壁の張り替え(160万~200万円程度 ※面積による)
屋根のふき替え(100万円~)
雨戸、シャッターなどの交換(20万~)
室内設備の交換 など
┃まとめ
住み始めて10年目までに最低でも100万円程度あれば、修繕費の急な出費に備えることができます。
住まいづくりの計画と合わせて修繕計画を立てるようにしましょう。