失敗しない不動産コラム
2023/05/05
土地を持っているけど、活用するには?~活用の種類~
アパート経営・マンション経営、駐車場経営など、代表的な土地活用から最近注目を浴びている方法までまとめてご紹介します。
┃土地活用方法
■売却
◐ 土地活用の方法の1つとして、売却があげられます。
■メリット
土地を売却すれば、売却資金としてまとまったお金を得ることができ、売却後は固定資産税を支払う必要もありません。
■デメリット
土地活用のように継続的な収入を得ることはできません。
売却時には仲介手数料や登記費用などの諸経費がかかるほか、売却して得られた利益に対しては譲渡所得税がかかります。
■point!
譲渡所得税は、所有期間が5年超の長期譲渡所得で20.315%、所有期間が5年以下の短期譲渡所得で39.63%と
高い税率となっているため、事前にしっかり計算した上で売却計画を進めることが大切です。
■借地・土地を貸す
◐ 土地を貸して地代を得る方法として考えられるのは、住宅街であれば家庭菜園や畑、資材置き場としての利用です。
■メリット
地代は建物賃料のように高い収益性はあまり期待できませんが、安定性を求める方にはおすすめです。
立地が良ければ、土地を貸して、借主がその上に建物を建てることも考えられます。
■デメリット
借主がその上に建物を建てる場合、借地期間は30年以上と定められているため注意が必要です。
■アパート・マンション
◐ 賃貸アパートや賃貸マンションを建てる土地活用方法です。
■メリット
満室に近い経営を続けることができれば、建物を建てるのにかかったお金を数年で回収できて、
将来的には安定した不労収入とすることもできるため収益性を重視した土地活用方法になります。
■デメリット
年間の経費として固定資産税や共用部分の電気代、メンテナンス費用などが必要になるほか、
1年間で得た収入から経費を差し引いた所得は不動産所得として税金を納めなければなりません。
■point!
支払いも多くなるアパート・マンション経営ですが、不動産所得は減価償却費や青色申告特別控除など、
実際に手元から支払わない項目を経費として計上できます。
結果としてマイナスとなった場合には給与所得など他の所得のプラスと損益通算できることから、サラリーマンにも人気です。
■戸建賃貸
◐ 戸建賃貸を建てることによる土地活用は、基本的には賃貸アパート・賃貸マンションを建てるのと同じ考え方です。ただ、戸建賃貸の場合は、世帯数が限られている点が特徴です。
■メリット
こちらも収益性を重視したい方におすすめの土地活用方法になります。
小さな土地からでも始められることがメリット。将来、自分が住む家とすることもできる。
■デメリット
1家族しか貸せないため空室期間は収入がまったく得られないデメリットがあります。
■シェアハウス
◐ シェアハウスは1つの建物の中に複数の居室と、リビング、キッチン、浴室、トイレなどの共用施設を備えた賃貸住宅です。
「共有」と「交流」を楽しめる住まいとして、若い世代を中心に注目されています。
■メリット
基本的には賃貸マンションや賃貸アパートと同じ運用ですが、アパートやマンションと比較して建築費用を抑えることができるため、
初期投資額を重視したい方は検討してみるとよいでしょう。
■デメリット
管理会社へ支払うコストが高くなる点があります。
■賃貸併用住宅
◐ 賃貸併用住宅は、土地上に建てた建物の中に住むのに使う部分と、賃貸するのに使う部分があるものです。アパート・マンションや、戸建賃貸などと同じように考えることができます。
■メリット
賃貸併用住宅は、小規模住宅用地の特例が適用されることから、相続税だけでなく固定資産税の節税も期待できるので節税対策を重視したい方に適していると言えます。
また、居住部分が51%以上であれば、アパートローンより金利の低い住宅ローンでの利用を考えることができるのでお得です。
■デメリット
収益物件としても自己居住用としても中途半端と判断され、売却しづらいことがあげられます。
■ガレージハウス
◐ ガレージハウスとは車庫付き住宅のことで、車やアウトドアなどを趣味とする人たちにアピールできる賃貸物件です。
■メリット
節税対策を重視したい方は検討してみるとよい土地活用の方法になります。
というのも、建築基準法の規定では車庫面積が建物の延床面積の1/5以下であれば、
車庫部分は建築面積から除外され、固定資産税の税額算定からも除外されるためです。
また、一般的な賃貸物件と比べて、ガレージハウスは賃料を高めに設定できるため、高い収益が期待できるメリットがあります。
■デメリット
市場データが少ないため、建物プランや入居者募集についての事前調査を綿密に行わなければならない。
■トレーラーハウス
◐ トレーラーハウスとは、けん引できる住宅のことを指します。
■メリット
トレーラーハウスは本体価格が200万円程度、本体の移動や設置作業に50~100万円程度の費用がかかりますが、
アパート・マンションなどに比べると圧倒的に初期費用を抑えることができるため、
初期投資額を重視している方に向いた土地活用と言えます。
また、住居としても店舗として活用することができ、柔軟性に富んでいる点がメリットです。。
■デメリット
設置する場所によっては地盤改良が必要になることがあり、高い場合で100万円程度の費用がかかることがあるため事前に確認しておく必要があります。
■レンタルスペース
◐ レンタルスペースとは賃貸物件やオフィスビルの一部のスペースを時間貸ししているサービスのことです。
■メリット
時間貸しで複数の人に貸し出すビジネスモデルということもあり、立地によっては高い収益性を実現できる可能性があります。
また、築年数が重要視されない点や賃貸契約ではないので価格変更を容易にできるといった点はメリットです。
■デメリット
レンタルスペースには繁忙期と閑散期があり、収入が不安定です。稼働率が上がるほど清掃などの手間がかかる点や、
事前に机や椅子などの設備を設置しなければならない点もデメリットだといえるでしょう。
■駐車場
◐ 駐車場経営には、月極駐車場による方法と、コインパーキング形式による方法があります。
どちらの場合も比較的安価な費用で始められて、管理にもそこまで手間がかかりません。
■メリット
大きな収益は見込めないローリスク・ローリターンな土地活用方法ですが、
安定性や初期投資額を重視したい方は検討するとよいでしょう。
なお、駐車場経営として得られた収益は不動産所得として、賃貸マンション・賃貸アパートと同じように計算されます。
月極駐車場のメリットは、機械の導入が要らないため初期費用を安くできるのに加え、将来他の業態に転換する時も簡単に転換できる点です。
■デメリット
収益が少ない点がデメリットになります。
■トランクルーム
◐ トランクルームによる土地活用方法は、土地内にトランクルームを設置して、契約者の荷物を入れるというものです。
■メリット
比較的場所を選ばず始めることができますが、特にオフィスなど商業施設や住宅街、港の近くなどでの利用が見込めるでしょう。
■デメリット
場所によっては収益は小さくなるリスクがある。
■コインランドリー
◐ 土地の上にコインランドリー用の建物を建てて設備を導入し、コインランドリーの利用者からの支払いで収入を得る土地活用方法です。
■メリット
比較的狭い土地でも導入しやすく、現地に管理者が常駐している必要がありません。
利用者がリピーターになる可能性が高いため、安定性を重視した土地活用方法になります。
ランニングコストがあまりかからないため比較的手軽に運営できる点はメリットの一つです。
■デメリット
設備の導入に費用がかかる点。
単にコインランドリーを設置するだけでは利用者は増えず、周辺環境のリサーチと、
周辺の価格相場を見ながらの価格調整など、運用を始めてからの経営努力が必要です。
■自動販売機
◐ 自動販売機は狭い空きスペースでも有効に活用することのできる土地活用です。
■メリット
ちょっとした空きスペースを利用して、管理や運営の手間をかけずに、収益を得られることが最大のメリットです。
■デメリット
夜間は音が響くため、飲料が落下する音や取り出し口の蓋がしまる音が騒音となり、近隣住民からクレームがくる恐れもあります。
■太陽光発電
◐ 土地に太陽光発電システムを設置して、売電収入を得る方法です。
■メリット
太陽光発電システムは、事業用であれば20年間売電価格が固定されるため、20年先まで安定した収入を見込むことができます。
■デメリット
太陽光発電システムの経年劣化による発電効率の低下や、何かがぶつかったことによる破損などがリスクとして考えられます。
太陽光発電システムによる土地活用は、できるだけ周りに高い建物の建つ心配のない郊外の大きな土地での運用がおすすめです。
■ロードサイド
◐ ロードサイドとは幹線道路沿いの土地や人通りの多い道路に面した土地のことですが、
交通量の多さやアクセスの良さを活かして、商業系の店舗を建てることで土地活用できます。
■メリット
ロードサイドの場合は、一般的に20年間以上の契約を結ぶため、安定性を重視したい方に検討をおすすめします。
また、事業用定期借地方式であれば、自己資金0から経営が可能です。初期投資額を重視したい方にもおすすめといえるでしょう。
■デメリット
建物の所有権は土地所有者のため、固定資産税・都市計画税は納めなければなりません。
■コンビニ
◐ コンビニ経営の場合は、交通量の多い道路沿いであるなど条件が限定的になります。
■メリット
コンビニ経営に適した土地であれば、初期投資額を抑えながら高収益を目指すことができます。
そのため、収益性を重視したい方にはおすすめの土地活用方法と言えるでしょう。
コンビニ経営は一般的に、契約期間が10~30年程度と長いため、長期的な収入を見込むことも可能です。
■デメリット
逆に言えば、その期間中はほかの土地活用に変更することができません。
また、住居系の建物では適用される税金の優遇措置は、コンビニでは適用外であるため、節税効果が低いことには注意が必要です。
■ビジネスホテル
◐ ビジネスホテルは、「ビジネス(出張など)で利用することを目的としたホテル」のことです。
■メリット
ビジネスホテルは、立地次第では高稼働率を維持でき、高収益も期待できることから収益性を重視したい人向けの土地活用方法になります。
■デメリット
建築費用は少なくとも数億円以上にのぼる点や、ビジネスホテル向けに建築された建物は転用が難しい点には注意が必要です。
■保育園
◐ 保育園は児童福祉施設の一つで、0歳からの保育に欠ける子供の保育を目的としています。
■メリット
保育園運営には、税金が免除されるというメリットがあります。
各自治体によって異なりますが、たとえば、東京都では、保育園運営に使われる土地の固定資産税・都市計画税は5年間免除されます。
節税対策を重視したい方は検討してみるとよいでしょう。
また、保育園運営は、一般的に20年以上の契約となるため長期間にわたり安定した収入が見込めます。
安定性を重視したい方にもおすすめの土地活用方法です。
■デメリット
保育園開園までには長い時間がかかり、場合によっては数年かかることもある点はデメリットと言えます。
■保育園
◐ 保育園は児童福祉施設の一つで、0歳からの保育に欠ける子供の保育を目的としています。
■メリット
保育園運営には、税金が免除されるというメリットがあります。
各自治体によって異なりますが、たとえば、東京都では、保育園運営に使われる土地の固定資産税・都市計画税は5年間免除されます。
節税対策を重視したい方は検討してみるとよいでしょう。
また、保育園運営は、一般的に20年以上の契約となるため長期間にわたり安定した収入が見込めます。
安定性を重視したい方にもおすすめの土地活用方法です。
■デメリット
保育園開園までには長い時間がかかり、場合によっては数年かかることもある点はデメリットと言えます。
■医療施設
◐ 医療施設は、外来向け初期医療をする「診療所」と入院や専門医療ができる「病院」の2種類になります。
■メリット
診療所の場合、各戸にキッチンや浴室などを備えたアパート・マンションよりも建築費を抑えることが可能です。
また、立地などに問題がなければ安定した経営を続けていくことができます。
初期投資額や安定性を重視したい方におすすめの土地活用方法と言えるでしょう。
■デメリット
病院の場合は、用途地域による制限がある点には注意が必要です。なお、診療所の場合は用途地域の制限はありません。
■老人ホーム
◐ 土地の上に老人ホームを建てて、賃料を得るという方法もあります。少子高齢化の進む日本において、市場の拡大が期待される分野での土地活用方法です。
■メリット
建物の賃貸借契約は20年以上の契約が義務のため、長期間にわたって安定した収入を受けられ、
さらに一括借上げのため空室に悩まされることもありませんので、安定性を重視した土地活用方法となっています。
■デメリット
ある程度の土地の広さが必要になるほか、安定した事業を運営していくためには優良な介護事業者を見つけることが必要です。
■サ高住(サービス付き高齢者住宅)
◐ サ高住は高齢者の安否確認や生活相談などのサービスが受けられる高齢者向けの賃貸住宅です。基本的には老人ホームと同様の運営になります。
■メリット
一定の要件を満たせば補助金を受けられたり、税制優遇を受けたりすることができるサ高住は節税対策を重視した土地活用方法と言えます。
■デメリット
床面積や設置設備に規定があるため初期投資額が大きくなる点はデメリットです。
■グループホーム
◐ 知症の方がよりよく生きるための施設として注目されているのがグループホームは、家庭的な雰囲気を大切にしつつ、プライベートの空間も確保するのが特徴です。
■メリット
グループホーム経営の方法には、オーナー型整備、事業者型整備、自ら運営の3パターンありますが、
オーナー型整備と事業者型整備では、グループホームの稼働状況によらず、毎月安定した収入を得ることができます。
■デメリット
建築費用は、高齢者向けの設備を設置する必要があるため高額になる傾向にあります。
■土地信託
◐ 土地信託は信託会社などと信託契約を結んで土地を提供し、信託受益権を得る方法が一般的です。
■メリット
土地信託では、アパートやマンションを建てるための初期費用は信託会社名義で調達するため、
初期費用がかかりません。そのため、初期投資額を重視したい方に適した土地活用方法となります。
■デメリット
土地の運用で充分な利益が出なければ配当が出ないこともあります。
土地信託では、信託する信託会社によって成否が決まると言っても過言ではありません。
信託する業者選びは慎重に行う必要があります。
■等価交換
◐ 等価交換は、土地を提供してその土地の上に建物を建て、地主は完成した建物や元の土地の内、提供した土地に見合った分を取得します。
■メリット
等価交換には、譲渡税の優遇措置があるため、節税対策を重視したい人は検討してみても良いでしょう。
リスクを負うことなく、収益物件の権利を取得することができます。
■デメリット
収益物件の権利を取得することができますが、収益は自分が建てた時より少なくなります。
┃まとめ
さまざまな土地活用方法を紹介してきましたが、
どの方法も事前準備や事前調査をしっかり行わなければ、想定していた収益を得られなかったり、
想定以上の初期費用がかかったりなど、予想外のことが起こる可能性があります。
これらを回避するためにも土地活用を始める前にじっくり検討期間を設けたいものです。
まずは、立地や周辺環境を調べ、必要であれば不動産業者などの専門家に相談してみるとよいでしょう。