失敗しない不動産コラム
2022/12/02
家を購入した!そしたら住所変更のタイミングは?
新築一戸建てに引越す際は、さまざまな手続きが必要となります。その際に重要となるのが住所変更のタイミングです。
住所変更の手続きをするタイミングにより、諸費用を削減できる場合があります。
そこで今回は、新築一戸建てに引越す際の住所変更のタイミングと変更手続きを行う際の注意点を紹介します。
┃新築一戸建てに引っ越し!住所変更のタイミングはいつがいい?
◐ 理想としては住宅ローンの契約を結ぶ前。
住所変更を行うタイミングとしては、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を結ぶタイミングが理想とされ、
契約を行う前に住民票を移しておくのが理想的です。
家を建てることが決まった場合、売主や建築会社との間で売買契約や建築工事請負契約を結ぶことになり、
その後住宅ローンの申請に進みます。
ここで現住所に住民票があるまま契約すると、新居を登記する際に住所に変更が生じ、
複数に渡り登記を行わなくてはいけなくなります。
この際、登記手続きを司法書士に依頼すると、その報酬として1~2万円程度の費用が必要となります。
住宅ローン契約前に住所変更を行っておけば、登記する手続きが1回で済み、
余分にかかる費用が削減できます。また金融機関側も、住宅ローンの契約までに現在の住所から新住民票に移転することを基本的に推奨しています。
登録免許税に関しても、購入物件の住所で登記を行う場合、問題なく軽減措置が使えるというメリットもあります。
◐ 現実的には難しい…自治体と要相談。
しかし、役所では入居前の住所移転は基本的に認められておらず、現住所のまま契約する方が一般的です。
一部自治体では、購入の売買契約書を出せば住所移転を認める場合もあります。
自治体によって対応が異なることが予想されるので、一度自治体に相談をしてみると良いでしょう。
また、住宅ローンの融資を受ける際に“居住用不動産に対して融資する”という条件がある場合、
居住用不動産を証明するために住民票を移す必要がある場合もあるため、住宅ローンの条件もあらかじめ確認しておきましょう。
┃住民変更で必要な手続き
❶転出・転入届け
┗旧住所の役所にて、転出証明書を発行してもらいます。その後、14日以内に新居の市町村役場で転入届を提出します。
転出と転入を同一市町村内で行う場合は転居届1通で手続きが完了します。
❷国民健康保険・国民保険
┗国民健康保険は旧住所の役所にて、国民年金は新居のある役所にて手続きを行います。それぞれ引越しから14日以内に届け出を行いましょう。
❸学校
┗子どもが公立の小・中学校に通っている場合は、別途書類が必要です。現在通っている学校から在学証明書と教科書給与証明書を発行してもらい、新居のある市町村で入学通知書をもらい、転校先へまとめて提出します。
役所にて転入届を提出した際に、小・中学校へ提出するための就学通知書をもらいますが、こちらも併せて提出しましょう。
┃住民変更での注意点
❶引っ越す前に住所変更できるか確認
┗総務省では“引越しから14日以内に、転入届を出すこと”と定義づけされているように、基本的に住所変更は引越し後に行うものとされています。
しかし、自治体によっては引越し前に新住所への住所変更を許可する場合もあるため、自治体に確認を取るようにしましょう。
❷住宅家屋証明書の手続き(旧住所で届けた時)
┗住宅家屋証明書とは、登録免許税の税率軽減措置を受けるために必要な条件が揃っていることを証明するもので、登記費用を抑えるためにも大切な書類です。
住宅家屋証明書を発行するためには、新住所が必要となりますが、旧住所の場合にも、入居予定日等を記載した申立書と必要な添付書類を提出すれば住宅家屋証明書が取得できます。
準備物が不足していると、住宅家屋証明書が受け取れない場合があるので、登記費用を少しでも抑えるためにしっかり手続きを行っておきましょう。
❸マイナンバーカード・印鑑証明・住民票も合わせて申請
┗住所変更を経てローン契約を行う場合は、ローン会社と司法書士宛てに提出する印鑑証明書2通と、売主と司法書士分、ローン会社宛てに提出する新住民票が3通必要となります。
住所変更の手続きを行ったら、こちらも併せて発行手続きをしておきましょう。
またマイナンバーカードや通知カードにも住所が記載されているので、住所変更が必要となります。
当日持参していない場合は後日手続きが可能ですが、何度も足を運ぶ手間を減らすべく、住所変更の際に同時に行うようにしましょう。
┃新築住宅の住所変更は、まず自治体に相談
住所変更を住宅ローン契約前に行い、購入物件の住民票と印鑑証明書を金融機関に提出できれば、
購入物件の住所で登記することができるので、スムーズかつ1番望ましい形ではあります。
しかし、基本的には引越していない新居への住所変更は認められないため、厳しいところではありますが、
登記費用削減のためにも一度自治体に相談してみてはいかがでしょうか。