失敗しない不動産コラム
2022/10/28
用途地域を知ってみよう
「土地の使用目的」などで、サイトやチラシなどに表記されている「用途地域」。
どのような意味で、どのような土地なのか詳しくご存じの方はいらっしゃいますでしょうか?
「用途地域」とは都市計画法によって土地に定められているものです。
=商業地域や工業地域などを12の用途に決められていて、建設できる建物の内容や大きさなどは高さが制限されています。
建売住宅を購入するときは、この「用途地域」のことをよく知っておく必要があります。
今回は、用途土地を解説していきます。
┃静かな環境なら「イッテイソウ」
◐ 第一種低層住居専用地域」省略して「イッテイソウ」
用途地域には12の分類があり、最も規制が厳しいのが、「第一種低層住居専用地域」といわれています。
そこに建設できるのは高さ10mまでの低層住宅です。工場はもちろん、店舗も基本的に建設できません。
静かな環境が保たれる必要があるので、一戸建てにも適した場所とされています。
これが、「第二種低層住居専用地域」になると、低層住宅とともに、小規模の店舗も建設できるようになります。
「第一種中高層住居専用地域」になると、5階建て程度のマンションが建設できるなど、
少しずつ建設できる建物の幅が広がってゆくことになります。
一戸建て住宅地として、静かな環境、ゆったりした街並が形成されやすいのは最初に取り上げた「第一種低層住居専用地域」。
省略して「イッテイソウ」などと呼ばれる場所です。
イッテイソウでしたら、閑静で日当たりのよい環境が形成される「高さ10mまで」と規制される場所が多く、
その場合、3階建て住宅も建設可能ですが、現実的には2階建てが中心となります。
理由は、高さ制限とは別の制限=斜線制限とよばれるものがあるからです。
斜線制限は建物による日陰を制限するための決まり、と考えればわかりやすいです。
じつはこの斜線制限のほうが厳しいために、3階建て住宅が簡単に建設できないのです。
┃3階建が建てやすい、商業系土地
その点、3階建てを建設しやすいのは、駅に近く、商業地域や近隣商業地域に指定されている地域だといわれています。
それらは、「商業系の場所」とよばれ、ゆったり暮らすことよりも土地の高度利用を第一に考えられます。
目の前を別の建物でふさがれても文句がいえない場所なので、3階建てが建設できるというわけです。
当然、日当たりのよさや眺望の良さを望むことはむずかしいですよね。一方で、駅に近く、買い物に便利という長所もあります。
そのため、「環境よりも、利便性が大事」と考える人向きに、3階建ての建売住宅が分譲されることになるとなるのです。