失敗しない不動産コラム
2022/10/21
建ぺい率と容積率の応用知識
土地には建ぺい率と容積率がという数字が決められていて、それぞれの数値が高ければ、より大きい建物を建設する事ができます。
では、建ぺい率と容積率は、高ければ高いほどよいといえるのでしょうか?
実際はそんなことはなく、一戸建て住宅地に関して言えば、二つの数字が小さい場所ほど
「由緒ある住宅地」とか「高級住宅地」とされることが多いのです。
なぜなのでしょうか?その理由を説明していきますね。
┃歴史がある建物の中には「建ぺい率30%」も有
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一戸建ての場合、ゆとりや日当たりのよさ、静かな環境も大切なので、建ぺい率は低くなる。
とはいっても、建ぺい率20%では建設できる建物が小さくなる。
1階部分が50m²の家を建てようとすると250m²もの土地が必要になり、土地代が高くなる。
高い土地代を払って庭が異様に広い家など、よほどのお金持ちでないと買う気にならないだろう。
そこで、建ぺい率が大きすぎず、小さすぎずの場所が一戸建ての適正地ということになる。
具体的には建ぺい率50%がほどよい数値。
実際、建売住宅が建設されるのも、建ぺい率50%の土地が多くなっている。
ところが、世の中には建ぺい率40%とか30%という土地もある。
鎌倉のように歴史ある住宅エリアや田園調布のような高級住宅、さらには畑が目立つ田園地帯では建ぺい率が低く設定される。
現状の住環境を守ろうとして、建ぺい率が抑えられるためだ。
ただし、田園地帯の場合、開発が進むと建ぺい率の見直しが行われる。
30%が40%に、さらに50%に上げられるケースが多いのだ。
そのため、田園地帯の開発が進み、建ぺい率が50%になったあたりで急に
建売住宅が増えるという現象が起きてしまうのである。
┃容積率低=2階が小さくなる
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一戸建てが多く集まる住宅地では、建ぺい率とともに、容積率も抑えられる。
ここで、注意したいのは、建ぺい率と容積率のバランスが悪い土地だ。
一般的に、容積率は建ぺい率の2倍というのがバランスよい比率。
「建ぺい率50%で容積率100%」というのが、建売住宅で多い数値だ。
ところが、「建ぺい率が50%で容積率が80%」というような土地がある。建ぺい率と比して容積率が低い。
そうなると、総2階建ての建物が建設しにくく、1階に比べて2階が小さい家になりがち
。昔からの住宅地には、この形式の住宅が多い。それは、建ぺい率に比べて容積率が低い結果なのだ。
一戸建てが集まる住宅地の場合、「建ぺい率50%で容積率100%」が基本の数字になることを覚えておきたい。